レース終了

2007-06-23ワールドカップXC第4戦カナダ・モンサンタン大会が終了。
最終結果はUCIのウエブサイト(http://www.nissan-ucimtbworldcup.com/fr/Resultats/)を確認していただくとして、内面的な部分は本人のブログを参照していただくとして、ざっとレース展開を。

午前11時にスタートした女子は、直後に集団中央で落車。82人中ビブナンバー65番と、後方からの出走となる梨絵ちゃんも巻き込まれ、完全に出遅れる。
スタートループ2周をこなした時点で1分半差。路肩を走らされてリズムに乗れない様。そして5周回する本コースに突入。
テクニカルな下りセクションで見ると、先頭集団はスムーズ。梨絵ちゃんも同等のスピードで下ってはいるが、明らかに呼吸が荒く、ライン取りが乱れていることが分かる。上半身の動きが硬い。
続いてゲレンデの激上り砂利セクション。歩くのもキツイ斜度。普通の人なら確実にバイクを降りて押す。そこを先頭はセンターでゴリゴリ上る。梨絵ちゃんはインナー×ロー。脚は回っているが、明らかにスピード差はある。
4周目に入った時点でトップと12分半。先頭から8割を下回ると脚切りとなる「80%ルール」に対してギリギリのところ。苦しいのは分かるが、何とかこらえて欲しい。そして最終周回に入って欲しい(80%ルールが適用されるのは毎周回のスタート/ゴール地点なので、最終周回に入りさえすれば完走はほぼ確実となる)。
しかし、そんな願いも空しく先頭のイリナがゴール。そして2位には今期のW杯開幕戦で優勝を飾った中国のレンが入った。
続いて14時からは男子。こちらはスタートループ+7周だ。
女子とは異なり、100人以上が実にきれいな集団スタートを切る。ロードレースのようだ。そしてUCIポイントを持たない竹谷さんは最後尾。そこから一人づつ抜きにかかる。堅実な走り。
開幕戦で優勝しているスペイン人、ホセアントニオ・ヘルミダ(ビブナンバー3)が、序盤から集団を抜け出してガンガン逃げる。速い! 1周5kmのサーキットで、ラップが16分。
しかし、それを激上りで視界に捕らえるのは昨年の世界チャンプ、ビブナンバー1のアブサロン。徐々に二人の差は詰まる。
日本人にとっては激上りが至る所にある感覚だが、ものともしない。つづらの急斜シングルも全てセンター。インナーギヤって何? 何のためについているの? あ、そうか、一般の人がレクリエーションで走るのには必要だよね。
そんなカンジで、いちばんキツイところでもギヤ比は1対1程度までしか落とさないのだ。いや、彼らにとってはそんなにキツイ上りではないのかもしれない。ほとんど平地レース。
そんな中、1周回あたり2分ちょいのビハインドでこらえる竹谷さん。すげー頑張っている。3周終了時にトップから8分20秒遅れ。しかし表情は苦しそう(←当たり前だ)。
一方で、UCIの予想を上回るスピードのレース展開に、竹谷さんの完走もどんどん可能性が下がる。4周終了時に11分半の差。5周目に入り、さらに1/3周をこなしたところで12分の差。これが彼にとっての最終周回となった。
さてトップは、追っていたアブサロンが最後にヘルミダに追いつくという劇的かつ計算し尽くされたような展開。観客は大盛り上がり。だから彼らがどのへんを走っているかすぐに分かる。なぜなら、彼らの移動とともに地鳴りのような歓声がウエーブのごとく聞こえてくるから。
そして最終周回で前に出たアブサロンが、23秒差をつけて王者の風格で優勝。かっこいい。
残念ながら日本人二人の完走はならなかった。しかしこの8月に中国で予定されているアジア選手権、9月の世界選手権、さらに様々なレースの先にある来年8月の北京オリンピックに向け、多くの課題と明確な宿題を認識したようである。
(CUB)

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