山本幸平

コウヘイ20日の全日本・男子シニア/エリートクラスは、ブリヂストンアンカーの山本幸平が昨年に続いて二連覇を達成しました。
毎周回、ゲレンデの上りで鈴木雷太からの指示を受けます。
たとえば「ここまで後ろ(2位を走る竹谷賢二)と3分開いたぞ。あと2分行けるか? 行くんだぞ!」ってな具合です。
レース後の表彰式時のインタビューで分かったことですが、彼はレース前に「勝つことはもちろんですが、2位と5分以上の差を付けること」がスタート前の目標だったようです。結果は2位となった竹谷さんに7分14秒あまりの差……、全6周だったため、周回ごとに平均1分以上の差を付けての圧勝です。
勝負自体は、3分差が付いた3周終了時点ですでに決しています。通常であれば、あとは後続とのタイム差を見ながら、パンクしないように落車しないように気をつけて走ればいいのですが、彼はそうしませんでした。
その理由は難しくはありません。幸平が世界を見据えているからです。
もしここをアブサロンが走ったら……たとえばそういった想定の下での走りだったはずです。そして彼は、勝負が決した後もなお、スピードを緩めることなく、むしろラップをタイムアップしながら走り抜けました。
貪欲な鬼のようなもしくは野獣のような幸平の走りだけでなく、同時に彼を”守り”に入らせなかった雷太に深く感動しました。まもなく24歳になる幸平。厳しいトレーニングやレース展開に耐えられる年齢と肉体と精神が彼にはあります。そして、この走りができるうちは、彼は強くなり続けるはずです。

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