限られた時間/限られた環境 

さて、全日本選手権が終了して1週間ちょい。
参加された方々も疲れが抜け、観戦者たちも熱かった目頭が落ち着いた頃でしょうか。
ということで先日は打ち上げをしたのですが、シーズン前にエース大江と話したことをひとつ。
彼は「2012年の全日本を以て引退します」と言っていたんですよ。
でも、仕事としてではなく、趣味として好きで自転車に乗っている。
だから彼の話を聞いて「引退?」って思ってしまったんですよね。
思うのは、プロとアマの違いです。
プロは限られた時間の中でレースを走っています。
走ることに打ち込む環境に身を置いて、全力で走り続けます。
就職をして会社に縛られることありません。
しかしながらいつまでもそんな生活は続けられません。
だから、限界を感じたときに「引退」がやってきます。
つまり、引退までの限られた時間を目一杯走るのがプロです。
一方、生涯スポーツとして取り組んでいる場合は、言うなれば趣味です。
だから仕事なりをしたうえで、空いた時間で自転車に乗ります。
結果、人によっては満足に走れない時期もあるでしょうし、仕事以外の要因、たとえば子育てや親の介護のため、しばらく離れざるを得ないこともあります。
そして「●年ぶりに復活しますよ!」ということだってザラです。
アマチュアは、人それぞれの限られた環境の中で走っています。
「限られた環境の中で走っているんだから、今後も置かれた環境の中で楽しめばいい」。
それは、全ての趣味ライダーに言えるコトです。
リザルトが全てではないし、そもそもレースに出る必要だってありません。
遊び道具として、旅の手段として、日常の足として、健康維持のツールとしてetc,etc。
自転車には様々な側面があります。
そんな中で、多くの人が末永く楽しみ続けて欲しいと願っています。

さて、全日本のレースのハナシ。
富士見のXCコースは1周あたりのタイムが短いため、山本幸平が走ると完走者がグッと減ります。
今回のシニアエリートはわずか9人。
その中で唯一、完全プライベーターだったのが大江良憲でした。
他は、プロだったり、メーカーから機材サポートを受けているセミプロ。
そういった意味でも、我々趣味ライダーの代表が日本の強豪を相手に善戦する姿は感動を与えるものでした。

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