チェーンに関する一考察

先日、ロードのチェーンを交換しました。
1シーズン使って約6,000km。比較的まめに洗浄&注油をしていたのでそんなに摩耗していないかと思っていましたが、やっぱり伸びは出ていました(3月13日参照)。
あのとき比較していたのはスラムのPC1070チェーン。実はトレック・トップフューエルに装着されていたヤツです。トップフューエルをKMCチェーンにしたため、ドミノ移植的にロードへと持ってきたのでした。
デュラエースのコンポに、チェーンだけスラム。とりわけ新しくなったシマノのロードコンポ(79系デュラ/67系アルテ)は、エッジが面取りされた専用チェーンとなっており、フロントの変速性能が向上しているのが特徴です。それまでの変速システムからすると、驚くような違いがあります。そこへスラムのチェーンってどうなんでしょう?
確かに変速の歯切れという点では若干劣る感はあります。オイラは7970系電動デュラを使っているのですが、フロントをインナー→アウターへ入れる際に手動オーバーストロークができないため、たまにアウターの爪へ引っかからないことがありました。そこでFメカの停止位置を調整して、アウターへ変速する際、若干外側へ行くようにしたところ解消。アウター×ローに入れても、内側ガイドプレートとギリギリ摺らないような設定です。
電動ではなく手動変速だったら、Fメカを少しオーバーストロークさせるように変速動作をすればいいように思える範囲です。
一方で、アウター→インナーへの変速では劇的な変化が現れました。従来ではしばしばチェーンサックが起こっていたのですが、これが見事に解消されてしまったのです。チェーンサックとは、フロントを変速した瞬間にチェーンが歯先に噛み込んでしまい、チェーンステーの方へと巻き込んでしまう現象です。たいていの場合、半回転クランクを逆に回せば噛み込みは解消されるのですが、抜本的な解決にはなりませんから、頻発する場合もあります。
オイラの場合は、そんなチェーンサックが、月に1、2度起こっていました。こんなもんかと勝手に思っていました。
しかし、スラムチェーンで解消されてしまったワケなので、どうしてか考える必要があります。想像するに、それまで使っていたデュラチェーン(CN-7900)の変速性能が良すぎた、ということが原因ではないでしょうか。シマノのチェーンはチェーンの歯先への引っかかりが良いため、変速の瞬間に2枚のチェーンリングの間に挟まってしまう、とでもいいましょうか。
そしてスラムのチェーンはそのあたりがルーズなようで、引っかかりが少ない分だけ噛み込みが起こらないのではないだろうか、と思うのです。
チェーンサックが起こるかどうかは製品の個体差もあるはずです。 今回は、最初に使ったCN-7900よりもPC1070の方がインナーへの変速が安定していた、ということでした。
工業製品とはいえ、こういった「相性」というようなアナログ的な部分が残っているのが自転車の部品なのです。

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