世界と日本の差

2008-08-19梨絵ちゃんつながりということで、せっかくの機会ですから、世界と日本の競技としてのMTBのレベルの差を現実問題として再確認してみましょう。
 
一般的に、1時間 50分~2時間30分程度で行われるMTBクロスカントリー競技(←コレがオリンピック種目になっています)の場合、トップタイムから80%以下(※)の速度になると、強制的にバイクを下ろされてしまいます。このルールが導入された99年以降、世界へ挑戦する日本選手にとっては「トップと同一周回での完走」が関門となっていました。
最終周回に入る直前の脚切りゲートを通り抜けるのに精一杯なワケです。
 
ところが、なんとか最後の脚切りをクリアして最終周回に入り完走したところで、レースに『参戦』したとは言い難いのが現実です。レースの展開を自ら作り出すことで、はじめて本当の意味で『参戦している』と言えるでしょう。
 
2007年から、フランスを拠点にレース活動をする山本幸平(http://www.yamamotokohei.com/)。
2005年から、ワールドカップでの上位入賞を目標として海外遠征を続ける片山梨絵(http://rie-katayama.aspota.jp/)。
ともに、ここ1年半の世界レースでのトップとの差は10分弱~20分です。たとえば山本幸平は、08年5月のワールドカップ・マドリード(スペイン)大会で、トップのジュリエン・アブサロンから9分52秒遅れの2時間22分22秒。片山梨絵は、07年9月の北京プレ五輪大会で、トップのリュ・インから11分44秒遅れの1時間57分38秒。
 
いずれも、ほぼベストコンディションで臨めているはずなので、トップからのビハインドでいうなら、10分遅れを目標とするのが現実的といえます。
 
通常のワールドカップなら(とりわけレベルの高い傾向にあるヨーロッパラウンドだと)10分遅れれば馬群に沈んで、出場者の真ん中ぐらいのリザルトですが、そこはオリンピック。出場人数に制限が設けられているため、上位1/3ぐらいには入れるのではないでしょうか。そしてあわよくば一桁順位。是非ともそれを実現して欲しいと思います。
 
幸いにも、時差がわずか1時間の中国での開催です。日本人にとってジェットラグはほぼないに等しいので、コンディショニングはしやすいはず。
目標に関しては、かなり希望的観測を含めさせていただきましたが、観客の一人として、そのくらいの夢を見たいものですね。
(CUB)
 
※ 80%ルールとは、99年度からワールドカップXCやJシリーズXCで採用されている。
トップ選手のファーストラップの80%を足切りタイムとする。
周回遅れの選手を排除して上位選手達を走らせやすくするのが目的。通常そのゲートはホームストレートに設けられており、最終周回に入れれば、最後の1周でペースダウンしても完走させてもらえる。

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