さて、合宿二日目は大きく2隊に別れた。
西伊豆を海岸沿いに土肥まで走ってフェリー→東海道線輪行で帰るグループと、昨日とは別の林道を経由して河津へ戻るグループだ。
河津へ戻る必要がないオイラは前者をチョイス。
松崎港近くの食堂で、海の幸定食的な朝食を頂いて、その後は交通量の多い国道135号を避けて旧道をたどる。
リアス式海岸で囲まれた伊豆は、集落と集落の間が山になっていることがほとんど。だから、街を抜けると、次の街に行くまでに、小さな峠を越えるような感覚だ。
さらにクルマの往来がほとんどない旧道を走るとなかなか趣深いものがある。崖の眼下に砕ける白波を眺めながら、漁師町ののんびりとした生活に思いを馳せられるのだ。
道ばたに一見無造作に、しかし整然と干されたテングサや、漁具の手入れをする人たちの額に深く刻まれたシワを見れば、自分たちの住むエリアから大して離れてもいないのに、こうも生活が異なるのかと感心することしきりである。
これはこれで楽しいな~と感じながらのんびりと走れば、お昼前には土肥港に到着。
12時発のフェリーに乗った人もいたけれど、せっかくだからと隣接するビーチでまた泳ぐ。
関東は気温35℃オーバーの箇所も珍しくなかったようだが、伊豆は気温29℃。山の中に入れば、おそらく気温25~26℃ぐらいだったことだろう。日差しは強烈で、肌はジリジリと焼かれたが、木陰に入れば汗が引く涼しさだ。
関東よりも南にある伊豆半島が、避暑地としてもてはやされるのも分かるというものである。
そして14時40分の駿河湾フェリーに乗り込む。2日間に渡り、走って食べて泳いで眺めた、充実の地に別れを告げるときが来たようだ。また来るぜ、真夏の伊豆! 誰もいない岸壁に向かって、意味もなく手を振るのであった。
Photo by AKI-SAN
(CUB)