Sワークス・クランクセット

2007-07-18スペシャの新製品で、個人的に一番気になっているモノは、このクランクセット。
チェーンリングを固定するスパイダーは、PCD130(ロード用スタンダードピッチ)と同110(ロード用コンパクト)の2種類からチョイス可能と、今のところロード専用。
クランクのアーム部分はカーボン製。軸となるBBアクスルは、中央部分のギザギザで左右を勘合させる方式で、カンパニョーロの【ウルトラトルク】方式と類似している。

ただしすでに書いたように、BBの軸直径に関しては、ピナレロがITA規格に戻った現在となってはスペシャの専用品。専用のBB(ベアリング)と、専用BBの収まるBBシェルが必要となる。つまり、このクランクに合う専用フレームが必要となるのだ。
実際に、Sワークス・クランクセットが装着された同社のロード系上位機種に乗ってみたところ、とても気に入ったのは3点に集約される。
1:回転の軽さ。
BBとはいっても、カートリッジタイプのベアリングがフレーム内に圧入されているだけ。BBは大口径(サイズ・品番は未確認だが、シマノのホローテック2用やトルバティブ、カンパなどよりも大きいと思われる)で、シール類も必要最小限。つまり、摩擦抵抗が抑えられる要素が大きいということ。
2:剛性感
これはシフトフィールにや踏み心地に大いに影響する。
たとえば、ギアをアウター×トップに入れて、力一杯ペダリングをすると、右ペダルを踏み込んだ際にチェーンが”カリカリ”とフロントディレーラーに擦ることがある。
調整不良ということも考えられるが、BB軸やBBとクランクとの勘合部分、チェーンリングやそれを支えているスパイダー部分の剛性が低いと起こりやすい現象だ。ペダリングの力で、クランク周りがたわんでしまっているワケね。
同時に、歯先剛性が低いと、フロントの変速性能も低下する傾向にある。特にペダルを踏み込みながらの変速だと、チェーンに歯先が持って行かれてしまうのだ。
そういう観点からすると、XTR(FC-M970)は「とても良くできている」と思えたのだが、初めてそれを使ったときと似た感動があった。
3:重量
重量は、BBのベアリングなど全てのハードウエア込みで623g(110コンパクト/172.5mm)。130スタンダード仕様だと+12gとのこと。
ちなみにシマノのFC-7800デュラエースは同条件で740g(130スタンダード/170mm)。
んー、良い感じです。
(CUB)

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