ビタミン剤やミネラル剤に代表されるサプリメントは、レース前数日間摂取するだけで、基本的には必要ない……というようなコトはすでに書いた。本来は、必要な栄養素は食事から摂るというのが動物として正しい姿だ。
しかしアスリートとして(!?!?)例外は存在する。その代表がコエンザイムQ10(CoQ10)。一時期、「ビタミンQ」などとアンチエイジング&美肌効果がもてはやされてブームになり、踊らされたヤツらによる買い占め(?)が起こって手に入りにくい時期もあったが、そんな世間の熱も沈静化してきたようだ。
コエンザイムは元々、心臓病の薬であった。心臓の動きを活性化させ、動脈硬化に代表される生活習慣病を予防させるそうな。
で、健常者(?)が飲むと、心肺機能が向上すると言われている。しかし、その効果が現れるまでには2週間~1ヶ月の時間を要するため、「飲んだ翌日から心肺機能がめざましく向上する」ということはあり得ない。服用後、短期間に効果が表れるのなら、ビタミン剤などと同様にレース直前だけ飲むのだが、そういうワケにはいかないから仕方ない(そもそも短期間に効果が現れて持久力が向上するなら“ドーピング”だし)。
ということでオイラ、自分にとってのシーズン中は、恒常的に飲み続けている。今年でいうなら、4月29日にあった緑山5時間耐久レースから逆算して、4月中旬ぐらいから飲み始め、9月16日に予定されている王滝SDAまで続けるつもりだ。しょっちゅう飲み忘れちゃう日があるけれど。
厳密に検査をしたわけではないために断定的なことは言えないが、持久系のトレーニングの効率が向上しているように思われる。つまり、少ない運動でも持久力が身についている気がする……ってことだ。
ま、「気がするだけ」かもしれないけれど、そんな自己暗示効果だけでも大きな収穫と言えるだろう。
ところでその飲み方。基本は食後だ。
最近こそ、「水溶性コエンザイム」というものが開発されているが、本来は脂溶性の物質。だから、空腹時に水で飲んでもあまり吸収されない。食事に含まれている油に溶けることで、吸収力が高まるということだ。
さてもうひとつ、レース期日と関係なく摂取するのがアミノ酸。アミノ酸とは筋肉(タンパク質)の材料であり、運動の燃料でもある。
たとえばクタクタ&ヘトヘトになるまで身体を追い込んだとき、翌日以降も疲れが抜けないなんてコトはままある。激しい運動は筋肉にダメージを与えて、筋組織が修復されるまでに時間がかかるのだが、その修復を促すのがアミノ酸である。
筋肉は、スクラップ&ビルドをくりかえすことで強靱になってゆく。壊れた筋組織が再生されるとき、崩壊前よりも強くたくましく生まれ変わるのだ。しかし、壊れすぎると「疲労感」「倦怠感」となって、仕事などの日常生活に悪影響を及ぼしてしまう。それでは社会人失格になりかねない。
そんなときにアミノ酸。肉体を追い込んだ日だけは飲んでおくベシ(続け)。
(CUB)