12月1日

031201 しばしば、「サスペンションのオーバーホールはいつしたらいいのでしょう」と聞かれる。そこそこ走る人だったら年に1度ぐらいの割合でオイルを交換するのがいいけれど、人によって積算走行時間も積算走行距離もまちまち。走るフィールドだって違うから、とても難しい質問なのだ。街乗りオンリーで、晴れの日限定、しかもたまにしか使わないという人だったら、2、3年何もしなくたって不具合は出ないはず。
 ところで、フロントサスはオーバーホール作業を受けてくれるショップも多く、そういうところなら内部構造をきちんと理解しているから、動きに不具合が出たときに的確なアドバイスをできるだろうけれど、リヤサスはちょいとやっかいだ。そもそも、リアのショックアブソーバーをバラす工具を持っているショップは少ないから、ちょっとした不具合でも憶測や想像でしか話ができない。
 ウチも、ロックショックス用は揃っているけれど、FOXには対応していないし。ましてやそれ以外の小さなメーカーとなると、ねぇ…。
 ということで、そんなリアサスの不具合のオハナシを少々。 まずありがちなのがエアが頻繁に抜けるというもの。これはシール類が傷んでいる可能性がある。ロックショックスSIDなら、エアチャンバーの清掃をちょくちょく実施することで防止可能だ。この作業は、レッドラムという専用オイルさえ用意しておけば、特別な工具なくともできるので個人でも十分可能っす。やり方はこんな所では書き切れませんので、購入されたショップに聞いてください。
 もう一つありがち(といってもそうとう乗り込まないとならないが)なのがオイル室にエアが噛むという現象。ダンパーが弱まってしまい、サスの戻りが速くなってしまうのだ。サスをストロークさせる度に『グチュッ、グチュッ』という不快な音がしたら間違いなくエアが噛んでいる。しばらく走ると音が収まるからまぁいかな…なんて油断をしてはならない。これは気泡が細かくなっただけで、言うなればカプチーノ用のクリーマーで生クリームを泡立て切ってしまっただけという状態なのだ。5分も静止させれば元通りグチュグチュと音が出るはず。
 そして最後にロックアウトが効かないというもの。オイル室にエアが噛んでいてもロックしなくなるが、もっと抜本的にブローオフ用のバルブが変形してしまう、ということが過去にあった。こうなるとウチでももう手に負えません。サービスセンターに送り返してバルブアッシーの交換です。原因は、ロックアウトを掛けたまま長時間走る(しかも段差をガンガン突っ込んだり)、重い荷物をリアに載せてロックアウトを多用する、といったことが考えられる。 まぁ、ロックアウトを多用するぐらいならリジッドバイクに乗れいっ! そしてフルサスに乗るなら『ロックはこまめに解除しよう』(←東京電力の電子ちゃんのセリフみたいだ)ってことですね。

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