9月22日

030922 自分にとって1年で最大のイベントである王滝セルフディスカバリー100kmが終わった。まぁ、タイムだけを見れば昨年比約30分短縮なのでマズマズのようにも思われるが、実にふがいない内容と言える。
 昨年同様、先導車に誘導されて舗装路を上った後のローリングスタート。直後から小笠原(ゲーリーフィッシャー)や浜(スワコレーシング)、ポール・チェットウインド(フリーライドアドベンチャー/いずれも敬称略にて失礼)といった、全日本XCランキングの上位者(ポールは“元”だけれど)らがすごい勢いで飛び出してゆく。当たり前だがそれっきり彼らに会うことはなかった。
 オイラも自分のペースで最初のピークへと上ってゆくが、どういうわけか周囲のペースが速いぜ。悲しいけれどどんどん抜かれてゆく。今回は涼しいこともあって(20°C弱かな)、オイラもそこそこのスピードで走っているとは思うのだが…。まぁ、このレースは序盤に焦ってもしょうがないので、後半頑張ろうと自分に言い聞かす。
 とはいえ、下りはそれなりにとばさせてもらうのだ。対向車が来ないから、ブラインドコーナーも突っ込んで行けるしね。それが普段の林道ツーリングと違うところ。ムフフッ、頭の中が真っ白だぜ…と思ったらこともあろうか前輪がパンクしてしまう。今年は「ぜってーパンクさせねぇ」とばかりに、空気圧を 3.5kgfにしてきたのに…。しかも新品のタイヤ&チューブだぜ! なんでだよぉ。
 修理中に追い付いてきたコッパさんと少し話ながら第1チェックポイント(CP)に向かうが、すぐ後ろでムラオカさんがやはりパンク修理していたとのこと。オイラだけじゃなかったと一安心? さて、1CPを約2時間30分ちょい、50km地点を3時間10分ほどで通過。パンクしたことを踏まえるとなかなか良いペースだ。身体も良く動いている。後半は下りが多いため、このままトラブルがなければ6時間を切れるはずだ。 …しかし。こともあろうか50kmを過ぎた直後、三浦貯水池脇の平地区間で2回目のパンク。また前輪だ。スムーズな路面だというのに、どういうワケかタイヤのトレッド部が少し切れている。そのままチューブを入れるとまたパンクしそうなので、穴の裏に折り畳んだビニール袋をあてがって新しいチューブを入れる。そして空気を入れようとしたら…。ない! ポンプがない! どこかに落としてしまったようだ。なんてこった! 空気が入れられなければ、レースを続けるどころか帰ることだってできないぜ。
 後から来るライダー達に手を挙げて止まってもらうようにアピールしたが、なにせ平地高速区間、みんなあっという間に通り過ぎてしまう。どうしたらいいのだろう。
 途方に暮れ、半分諦めながらもしばらくアピールを繰り返していると、黄色いGIANT・NRSに乗った人が止まってくれる。事情を説明すると快くポンプを差し出してくれた。なんてありがたいことだ。名前もゼッケンも聞きそびれたことが悔やまれてならない。連絡先が分かるものならお礼の手紙でも一筆書きたい。
 実際には、直後に追いついてきたコッパさんとタニアイさんにポンプを借りることとなったが、みんなの善意は一生忘れられることはないだろう。
 さて、空気を入れながら周囲の状況を聞くと、なんでもムラオカさんは「スゴイ目つきで走り去って行った」とのこと。むむむ、これは急がねば。
 ところが再び走り出すと、わずか15分後ぐらいに今度は後輪がパンク。上りなのになんでよ? またしてもタニアイさんに、ポンプと、さらにはチューブまで借りる。ホント情けない。タニアイさんには何とお礼を言ったらいいものか…。後ろからタニさんまで追いついてきて、いつもの火曜夜練メンバーが勢揃い(ムラオカさんは除く)というカンジだ。
 60kmを過ぎていよいよ後半戦に突入すると、前方に見覚えのあるライダーが呆然と立ちつくしている。前輪を外したギョちゃんだ。まるでさっきの自分を見ているよう(笑)。なんでもタイヤレバーを折ってしまって、パンクが直せないとのこと。人の有り難みに触れまくっているオイラは、自分のタイヤレバーを手渡した。当方すでにポンプを持たない身分、タイヤレバーだけを持っていてもしょうがないしね。
 王滝の林道は、終盤になるほど路面状況が良くなる。序盤では抑えて走っていたが、ムラオカさんに追いつくべく下りも全開で攻める。うりゃうりゃうりゃー!! すると、3CPに向かう下りで、前方にオイラと同じリッチーSTを発見。これはこれはなんて奇遇な。是非ともトモダチにならなくては。並びしな、「こんにちは」と声をかけてみる。横を向いたその人は見覚えのある顔、なんとクボタさんだった。おお、来ていたのですね。
 3CPを5時間30分弱で通過すると、いよいよ最後の山だ。しかし、ここに来て襲ってくる空腹感。だというのに心拍が170という状態なので、ボトルの水分意外何も口に持っていくことができない。前方のライダー達との差が徐々に開くが、ペースを落としてでも補給食を口に運ぶべきか。しかし、あと15分で最終ピークに着くと判断して、目の焦点がぼやけたまま無理矢理身体を動かす。うー、辛いぜ。 そしていよいよ来た最後の下り。ギヤをアウター×トップに入れてとにかくコギまくる。溢れるアドレナリンと脳内モルヒネ。うぉぉぉぉ! さっきまで前を走っていたライダーを抜かして、もしかしたらと期待をしつつムラオカさんを追う。しかし、彼の背中より先に目に飛び込んできたのはゴールの横断幕だった。
 タイムだけを見れば6時間20分弱だからマズマズなのだが、ムラオカさんをゴールで見た(しかも、すでにいつものトレパン姿に着替えているではないか)ときにはガックリ来てしまった。もう完敗です。勝手に宣戦布告して「オレと勝負」だなんて、スイマセンでした。
 ちなみに優勝したのは小笠原選手で、4時間台だったそうじゃないですか。なんですか? そのタイムは! 聞くところによると、メーターを見ながら、時速20kmを下回らないようにしていたらしいです。
 ということで、オイラにとってのユ03王滝は、人の優しさに救われた大会となりました。みなさんはどうでしたか? あぁ、早く正式リザルトが発表されないかなぁ(長文におつき合いいただき、ありがとうございました)

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