Roubaix SL4 その1

Photo By TAKEYA KENJI-SAN


スペシャライズドが満を持して発表したのルーベSL4。
ただ、今回の発表は色々異例だったと思う。
これまで発表が行われるのは、モデル名にもなっているパリ・ルーベに合わせて行われてきた。が、今年はそれは行われず、トム・ボーネンが勝ったもののバイクに関しては発表とならなかった。
スペシャライズド曰く「もともとパリ・ルーベでの発表するつもりはなかった」というものの、実際にはトレックの発表したエンデュランスロード、ドマーネの影響があるのではないか?と思ってしまう。というのは、ルーベがこれまでその性能を表現する手段としていた垂直コンプライアンス(サドルからBBまでの柔軟性)の数値を、ドマーネはあっさりと更新。いきなりルーベSL3の倍の垂直コンプライアンスを発表したのだ。
その肝となっているのは、トップチューブとシートチューブを切り離しリンクで固定するというコレまでの常識を覆すISO SPEEDという構造。シートチューブが独立したサスペンション構造は、オルソップ・ソフトライドをフレームに内蔵したようなものなので、垂直コンプライアンスだけで考えると、ダイアモンドフレームを維持している限り越えることは出来ないと言えるほどの素晴らしいシステムと言える。
まさに目の上の瘤と言えるドマーネの存在。スペシャライズドはどうするのだろう?と言うのが、ここ数カ月の僕の楽しみだった。
そして正式発表されたルーベSL4の発表内容は、とてもあっさりしたものだった。なんとフレームとしてはルーベSL3と垂直コンプライアンスは大して変わらないという。実際にはコブルゴブラーと言われるシートポストを使いドマーネ同様の数字を叩き出しているものの、重視しているのはそこではなく剛性の適正化だった。
昔のバイクは、フレームサイズが大きければ柔らかくなり、小さくなれば硬くなるのが当たり前。なのでインプレッションをするライダーによりその内容は大きく違った。ただ、近年ではコンピュータでの解析が進み、ほとんどのモデルが適正化されているのが当たり前になりつつある。
今回のルーベSL4では、その考えを更に進めてサイズによって3サイズのヘッドパーツを用意することにより、ハンドリングまでチューニングをしてきたのだ。
メーカーにはスゴい手間だ。にも関わらず、ここに手を付けたのはスペシャライズドがグローバルカンパニーだからだろう。既にアメリカでの販売は全体の30%しかない。そんな様々な人々、環境に対応するためにグローバルで進化した、それが今回のルーベSL4だ。
続く。。。
 

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