2011王滝SDA(3)

王滝の120kmクラス参加者にとって、おそらく最大の難関は20kmループの上りだろう。
ココがむちゃくちゃキツイ。
斜度がキツイのももちろんなのだが、あまり人が入らないから、加えて路面が荒れているのだ。
通常の100kmなら、オイラの場合、1対1のギヤ比があれば十分事足りてしまう。
かつてはデュラエースのクランクを使い、リアのスプロケットも加工して、30×30Tという組み合わせが一番軽い状態にしていた。
王滝常勝の駿くんなどは、「アウターしか使いませんよ」というほどだ。
しかし、ココだけは別。
過去、何度インナー×ローを使った……いや「使わされた」ことか。
駿くんにしても「あそこだけは、さすがにセンターに入りますね」と、確か2006年だかに言っていた。
その上りを、今年は28×28Tというギヤ比で上り続ける。
XTRのWクランクにした今年は(チェーンリングが28Tと大きいから)、こっそりと11-36Tのスプロケットを装着していたのだが、補給をする際などのように「ちょっと速度を落として呼吸を落ち着かせる」という場面であっても28×32T止まり。
インナー×ローに入る様子はない。
そして5時間過ぎても身体が動き続けるぜ。
オレ、強くなっているじゃないか!!
最後の力を振り絞るつもりで、そのキツイ上りを55分ほどでこなし、分岐からちょうど1時間、6時間11分に再び本コースへと合流する。
今のペースなら、あと30分弱でゴールといったところか?
そうするとゴールタイムは6時間40分切り?
下りで抜かれることはないだろうから、5位入賞??
素晴らしいじゃないか!!!
などという皮算用をしつつ、100kmクラスのライダーをかわしながら最後の上りをこなす。
最終ピークでもペースは落ちることもなく、いよいよゴールに向かって最後の下りを残すのみとなった。
ひゃっほうひゃっほう。
100kmライダーを次々とパスしながら落ちるように下る。
心はウキウキ。スピードもビュンビュン。
気持ちいいことこの上ない。
ところが、だ。
ゴールを前にして、後輪をリム打ちさせてしまう。
あれ、やっちまった??
ホイールの回転とともに耳に入る、シュッ、シュッ、シュッ、、、というエア漏れ音。
悪夢か。
ライダーを抜くときには、”王滝ライン”を外して、路肩の荒れたところを入らざるを得ないのだが、その際にリムを打ち付けてしまったらしい。
気の緩みといえばその通り。調子に乗りすぎた、とも言える。
しかし起きてしまったことは仕方ない。
急いで修理せねば!
まずはムース修理剤を注入。穴が大きいようで、塞がらずに失敗。時間をロスしてしまった。
ならばとホイールを外してタイヤ内にチューブを入れてCO2ボンベで膨らませる。
ところが、ここで最大のミスを犯しているのに気がつく。
持って行ったボンベ兼用の2ウェイポンプが、バルブに対してネジ込み式だったのだ。
110km超を走った身体は、すでにヨレヨレ。手に力が入らないどころか、指先が痙攣して細かな作業ができないのだ。
ホースをネジ込めない……。
でもネジ込まないことには作業が進まない。
焦る……。
なんとかホース装着。CO2ガス注入 。エア満タン。よしっ!
しかし今度はネジ込んだホースを外せない。
指先に渾身の力と最大の集中力を注ぎ込んで、なんとか外そうとする……も、少しずつしか回せない。
モタモタしているうちに、バルブから「しゅーーーっ」とガスが漏れ出す。
ホースを外し終わったころには、タイヤがペコペコ。
この間、横を走り抜けるライダーたち。
もっと焦る……。
仕方ないからもう一度ホースを装着。慣れの問題ではないから、2度目といえども時間が掛かる。
そして、ガス注入→パンパン→抜けてペコペコ、というルーチンを繰り返す。
ぬおー、何人に抜かればいいというのだ。
さらにさらに焦る……。
もうボンベはないから次はポンピング。シュコシュコ。
しかしホースを外す際にやはり漏れてしまう……。
もうタイヤをパンパンにするのは諦めて、ブニョブニョのままゴールを目指すことにする。
とにかく前輪荷重。ハンドルに体重を預けて、走り始める。
直線ではハンドルに体重を預けたままで、なんとかペダリング。
メーターで速度を確認。
時速43km?? 遅いっっっ!
もどかしい!!!
先ほどの20kmループ分岐を通過。残り2km。
ここで後輪に再異変。エアが完全に抜けてベコベコになっている。
もはやチューブ交換はしていられない。そのまま走行。
うりゃりゃーっと、漕いでも漕いでも進まない……。
意気は消沈。でも息は沈むどころかバクバク。
情けない顔をしながらやっとゴール。
6時間51分12秒。
そして8位。結局は昨年とほとんど同じじゃないか〜。
後輪を確認すると、バルブがなくなっている。どうやら極度のエア不足のままペダリングをしたものだから、バルブ根元からチューブが切れてしまったようだ。
続いて周囲を見渡す。
ぬおっ、遙か後方へ追いやったはずの祐一にも抜かれていたのか(どうやら彼が6位ということだ)。
「いやー、オイシイところを持っていっちゃってスイマセンねー」
なんて憎たらしいコトを言うんだ。
そして「来年はぜってー負けねぇぞ」「来年こそは6位入賞を果たすぞ」などと、いい歳こいて思う自分がココにいたりもする。
ということで、また1年間修行します。
そして装備品を今一度見直して、来年も参加します。
(写真はゴールシーン。後輪がパンクしています)

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