最軽量? TREK / TOP FUEL 9.9 SSL (3)

無理な軽量化なくして完成車で8.57kgは達成できません。
単純に軽いパーツを組み合わせただけだと、リジッドバイクで9kg、フルサスバイクで10kgぐらいではないでしょうか。
そんな壁を打ち破るための工夫を紹介していきましょう。
過去の記事はコチラ(第1回目 / 第2回目)。
あくまで「裏ワザ」ですから、よい子はマネしないで下さいね。
ちなみに写真は8.60kgの表示ですが、サイクルコンピュータ類を取り付けたためです。
ボトルケージ、ペダルも取り外した、一般的な「完成車重量」だと、8.37kgでした。わお。

まずはクランク。右クランクの裏側をガッツリと抜いてあります。
これは以前日記でも書いたのですが、シマノの中空技術は「ホローテック」と呼ばれていますが、それに対して断面が「C」状態なので「Cテック」と名付けてみました。
左クランクにも同様の肉抜きを施したところ、あまりにもたわんでしまって使い物にならなかったという苦い経験があるため、右のみの加工です。

続いて変速ワイヤ。
ワイヤの曲がりが緩いフロントシフトに限って、NOKONのカーボンを使っています。
アウターがカーボンの筒になるため軽い! ……と言っても数gですが。

意外と重量があるのが、フォークのコラム内に収まっているアンカーナットです。
そこで5mm厚のアルミ合金板を旋盤で削り、 コラム内径に合うようにして、エポキシ接着剤で固定してしまいました。
すでにポジションが決まっているため、これ以上コラムを短くすることもありません。だからこそ可能な加工ですね。

そのほかネジ類。
当たり前ですが、スチール製のボルトはほとんど使われていません。
全てアルミ、もしくはチタンに置換されています。
ここに写っている、XTRキャリパーを止めているボルトはアルミ、ローターを固定しているのはチタンボルト。
どちらも大きなトルクでは締められませんから、定期的な増し締めが必要です。
破損の危険性も標準品に比べれば高くなります。
あらゆる意味で自己責任です。
これらの涙ぐましい(?)工作も、前提として軽いパーツがセレクトされている、というのは言うまでもありません。
これまた以前にも書きましたが、こういった軽量化は減量しきったボクサーがさらに階級を下げて体重を落とすようなものなんです。危険を冒さなくては達成できません。
しかしながら、結果として完成したストイックなバイクを操るのも、また楽しいものです。
「こんなバイク、乗りこなせるのは オレだけだぜ〜」なんて悦になるんです。
自己満足の極みですな。

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