BGサドルの真実

 スペシャライズドの代表的なプロダクツの一つがBGサドルシリーズ。他の自転車メーカーにはありえないぐらい多種多様なモデルをラインナップしています。結構使っている方も多いんじゃないでしょうか?
 さて、このサドルの売りの一つが、坐骨の幅とライディングスタイルによってサドルの幅が選択できるというものです。僕も同じサドルで幅違いを乗り比べましたが、フィット感がまったく違う!(当たり前か) といっても、ほとんどの人が実際に選ぶサイズは143mmらしいですが・・・。

この赤い血管の先にあるものは・・・さすがにイラスト化出来なかった模様です

この赤い動脈の先にあるものは・・・さすがにイラスト化出来なかった模様です

 そしてもう一つの特徴が真ん中に設置された溝。雑誌やカタログだと「軟部組織へのダメージを低減」などと書かれていますが、ぶっちゃけて書くと(いいのかなぁ~?!)「勃起不全(ED)を防ぐため」だそうです。
 ちょうどサドルの真ん中に内陰部動脈(男性生殖器に血液を供給する血管)が通っており、何も考慮されていない通常のサドルに座ると血流量が10%程度まで下がってしまうのです。これに着目したスペシャライズドは、センターに溝をつけるデザインを採用しました。
 さらに抜かりなく、ケルン大学医療センターの泌尿器科医フランク・ゾンマー博士(インポテンツ研究の第一人者だそうです)の協力を得てBGサドルの検証テストを実施。ゾンマー博士が発表した研究報告には、「ダメージを回避するためには、長期的に通常の50%以上の血流が必要である」と書かれているそうです。
 実際には、乗車時間や座り方(前傾姿勢の深さなど)によっても血流量は変化します。が、BGサドルの穴は平常時の50%を確保するように設計されています。
 他社でも穴が空いているサドルは多種あるのですが、実際に検証しているメーカーは、たぶんスペシャライズドだけでしょう。なので、その穴が効果があるのかどうかはなんとも言えません。また、世間一般に快適なサドルと評価されているサドルであっても、この機能に関しては考慮されていないことがほとんどです。
 ボントレガーがインフォームサドルシリーズを発表したときに「サドルの快適性を考えたときに穴が空いているのは意味がない、むしろ穴の周辺部の圧力が高くなるので穴を空けていない」とプレゼンが行われました。そのプレゼンを聞いたときは「ああ、穴は必要ないんだ」と思いましたが、この二つのサドルシリーズはそもそも重要と考えているところが違ったんですね。
 といっても、BGサドルシリーズが快適性がないかというと「痛くなる気がしない」という方が多いので決してそんなこともないんですけども。
 というわけで、ちょうどPhenomSLが特価で入ってきていることだし~、二人目も欲しいことだし~BGサドルにしようかなぁと思っています。

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