自転車屋に必要なもの

クランクセットの根元、フレームに収まっている部分にBB(ボトムブラケット)があります。ここの回転に不具合が出てガリガリになると交換するわけですが、10年以上使っていたり、雨ざらしになっていたり、はたまた最初の組み付けが良くないと、なかなか外れないのです。
それでも、必要に駆られればなんとか外すのが我々の仕事。工具が抜けないようにボルトでしっかりと固定して、300mmや350mmといった大型のモンキーレンチを噛まして、その柄の先端を「ウリャーっ」というかけ声とともに全体重をもって踏みつけに掛かるワケです。しつこく固着したBBだって、そこまでやればほとんどの場合緩むのですが……。
ところが今回ばかりはどうにもなりません。ぴくりとも動かず。
で、とてもガタイのよろしいオーナーの手(足?)を貸してもらうことにしました。さらに柄の長い工具を装着し、全体重+背筋力全開で「ウォーっ」と室伏広治のように雄叫びを上げながら彼が踏ん張ると、ジョリジョリっという鈍い音とともに緩んだじゃありませんか!
bb1外してびっくり、BBシェル部分に大量の水と砂が入り込んでいて、フレームとBBの両者を接着剤のようにくっつけてしまっていたのでした。しかし水は分かるとしてもどうして砂が!? まぁこれにて一件落着。BBシェルのネジ山とフェイスをさらい直して、無事に新しいBBへ交換完了です。
ところでオーナーに体重を聞くと79kgということでした。もしかしたらそのぐらいの体重も、自転車屋にとっては一つの必要な要素なのかもしれません!?

関連記事

最近の記事 おすすめ記事
PAGE TOP